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2021.05.11
IT関連の注意喚起

中小企業を踏み台とするサプライチェーン攻撃とは?

突然ですが、、、

うちは重要なデータ扱ってないからセキュリティ対策は必要ないと思っていませんか?

実はそれ、大きな間違いです!

 

たしかに自社のみの観点で言えば大した問題にはならない場合もあるのは事実ですが、こうした中小企業を狙い、踏み台した上で大手企業に対して攻撃を仕掛ける「サプライチェーン攻撃」が増加しています。

このサプライチェーン攻撃はどのように行われるのか、そしてどのような対策を取るべきなのかをお伝えします。

 

 

◆サプライチェーン攻撃とは???

サプライチェーンとは原材料の調達、部品の加工、製造、保管、配送、販売などの流通に伴う一連の流れを指します。

サプライチェーン攻撃はこうした一連の流れの中のどこかに対して侵入し、本命である大企業に対して攻撃を行うことを指します。直接的に本命企業の侵入経路を探して攻撃するのではなく、サプライチェーン全体を侵入経路と捉え、そのどこかにあるセキュリティホールから侵入して最終的に本命に到達することを目的としているのが特徴です。

情報の重要性が高まり大手企業が情報セキュリティ対策に対して莫大なコストをかけた結果、攻撃側が時間と手間やリスクを考慮してこの方法を選択するようになっています。

 

 

 

◆なぜ中小企業が狙われやすいのか???

サプライチェーン攻撃で真っ先に中小企業が狙われる理由は、大手企業と比較してセキュリティレベルが相対的に低いケースが多いからです。

例えば会社側から「URLは不用意にクリックしないこと」「添付ファイルは安易に開かないこと」と言うルールが提示されていても、「普段からやり取りしている●●社のAさんからのメール」であれば何も考えずにクリックやファイルを開いたりしているのではないでしょうか?

こうした慣習のため、取引先の中小企業に侵入してしまえば取引先とのやり取りに偽装することで大手企業に入り込みやすくなってしまうのです。

上記の経緯により、中小企業が狙われやすくなっていると言えるのです。

 

 

◆どんな流れでサプライチェーン攻撃が行われるのか?

サプライチェーン攻撃の目的の多くは大手企業につながる情報の窃取であるため、メールサーバへの侵入やマルウェア感染を目的としたメール、フィッシングなどが考えられます。

 

ターゲットの選定は会社のコーポレートサイトなどにある取引実績から行い、ドメインや問い合わせ用のアドレス、プレスリリースの連絡先を足掛かりに攻撃するためのリストを作成します。

このリストを基に、マルウェアなどを添付した標的型攻撃や脆弱性を狙ったサーバへの攻撃が行われることになります。

 

マルウェアには情報を盗み出すものが使われ、本命となるターゲット企業の窓口を探し出します。メールのやり取りなどからセキュリティレベル(意識)の低いポイントや相手を特定し、攻撃方法を検討していくのです。

サーバのアドレスやログイン情報がメール内に記載されていれば、それだけで攻撃の難易度が格段に下がります。ケースによっては侵入した中小企業の担当者のアカウントからマルウェア感染したメールをターゲット企業に送り、バックドアを仕掛けるようなケースも存在します。

ターゲットの選定やリストの作成については、公知の情報を用いたり、そこから展開してアドレスのルールを推定するなどの方法で準備されるため、攻撃に対するこの段階での対応は非常に難しいのが現状です。

 

 

◆中小企業として行うべきサプライチェーン攻撃への対策

対策の観点としては「予防」と「対応」の観点で考える必要があります。

予防

セキュリティレベルを上げ、そもそものサプライチェーン攻撃による内部への侵入を防ぐことが重要です。そのためには「不審なメールを開かない」「不明なURLをクリックしない」などの基本的な運用から「セキュリティソフトの導入」「ファイアウォールの設置」と言ったシステムレベルでの対応まで情シス担当が主軸となっての対応が必要です。

 

対応

「侵入された後」にどうするかの部分であり、ダメージコントロールの観点となります。「事故発生時の手順やエスカレーション方法の検討」「対象の切り分けと拡大防止の作業手順作成」といった観点での準備を行う必要があります。検知された後に適切な対応を行うことで、被害を最小限に食い止め、社内および社外への説明責任を果たすための対応が中心となります。

 

 

 

◆サプライチェーン攻撃は賠償に加え取引先を失う可能性もある脅威

サプライチェーン攻撃は最終目的が大手企業であるため、被害が自社のみにとどまらないのが特徴です。

結果として取引先への損害が発生することが多く、賠償を求められたり取引自体を打ち切られたりする可能性が非常に高くなってきます

そもそも一定以上のセキュリティレベルを維持していないと取引自体を行うことができなくなるケースも考えられるため、事前のセキュリティ投資を行わなければ売上の機会損失にもつながっていく可能性も出てきます。

セキュリティレベルを高めることこそが今後の売上の維持や拡大に際して重要な要素になることを意識しておく必要があります。

 

そうは言っても具体的に何から始めれば良いのかわからないというお客様は

ぜひ一度アイコン担当にご相談ください。