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2021.09.07
IT関連の注意喚起

2021年上半期サイバーインシデント被害事例が公表されました

2021年8月23日、2021年上半期に確認されたサイバーインシデントのうち主な事例をまとめた「コンピュータウイルス・ 不正アクセスの届出事例」が情報処理推進機構(IPA)により公表されました。

 

公表された事例は再隆しつつある「IcedID」などのマルウェア感染が検出された事例や、ランサム型のサイバー攻撃による身代金要求などの事例に加え、パスワード等の認証を突破され不正アクセスを受けたというケースなど、2021年1月~2021年6月にかけて確認された主要127事例をまとめたものです。

 

 

 

◆被害の原因

IPAは今回確認された被害事例について、パスワードの管理不備による流出や既知の脆弱性を放置した故の不正アクセスなど、通常のセキュリティ施策を実施していれば防げたものが多いと評価しています。

管理者や利用者のミスによる流出と見られるケースが多く、セキュリティ教育の重要性が浮き彫りとなりました。

 

 

 

◆認証突破31事例、ランサム被害30事例を確認

今回公表された資料のうち、もっとも多く届出のあった事例は「ID とパスワードによる認証を突破された不正アクセス」(31件)です。主に確認されているのはメールアカウントへの不正アクセスに伴うスパムメールの発信被害で、パスワード管理に不備があったり、多要素認証を導入していないケースやそもそも多要素認証に対応していない通信方式を利用した結果、不正アクセスが発生した事例が確認されていると評しています。

 

また、2番目に多く確認されている事例の「身代金を要求するサイバー攻撃の被害」(30件)では、NASやクラウドストレージなど、オンライン環境によるストレージが狙われる事例が増えています。

原因は外部ネットワークからの接続に伴うサーバーソフトウェアの脆弱性やリモートアクセスの設定不備と推定されるものが多いとのことです。背景にはテレワークでの利用を想定したVPN機能の実装増加が影響しているものと見られます。

なお、ランサム感染は甚大な被害を及ぼすケースも多く、IPAで確認された事例のなかには復旧困難となるほどの被害を被ったケースもあるとしています。